文房具に関するお悩みはいろいろありますが、もっとも多いのが「字を綺麗に書きたい」というものではないでしょうか。内心で、なんとかならないか、と思っている方まで含めると、相当の数に上ると思われます。

もっとも、字の汚さに年がら年中悩んでいる方も少なそうですが、このお悩みは、ちょっとした出来事がきっかけになって表面化するものです。たとえば、年賀状とか……。

というわけで、本日のお客様は若い会社員の方です。社会人になったら、人の目に触れる文章を手書きする機会が増えた。営業先の入館証などですね。その字が上司の目に触れて、「君、その字は……」と言われてしまった、と。

なるほど。新社会人にはありがちなお悩みかもしれませんね。では、見せてください。何をって、字ですよ。そんなに嫌がることないじゃないですか。さあさあ、この紙に……。

……わお。これは相当のものです。上司の方の気持ちがわかります。っていうか、なんて書いてあるんですか? 

あ、そんなに凹まないでください。丁寧に書いたのはわかるんです。それでもバランスが崩れてしまうんですよね。

大丈夫、そんな方にお勧めすると決めてあるペンがありますから。はい、「トラディオ・プラマン」(ぺんてる)。

「プラマン」は、「プラスチック万年筆」の略です。万年筆ではないのですが、プラスチックのペン先で、万年筆の書き味を再現すべく作られたペンです。他に、ちょっと細身の「プラマンJM20」もありますので、お好みでどうぞ。

これの何がいいって、太めの筆先がしっとりしていて、しかも、しなることです。ペン先は二枚の板状のもので挟み込まれ、しなりが生まれるようになっています。だから、強弱が出て字が綺麗に書けるんです。

思うに、綺麗な字の条件は、2つあります。①字全体のバランス②とめ、払いがしっかりしていること。プラマンなら、この両方が改善されるんです。

芯がやや太めのプラマンを使うと、字のバランスが良くなります。線が太くなるから、ちょっとしたバランスの崩れが線の太さで打ち消されるんですね。ほら、サインペンなどを使うとき、字が上手くなった気がしませんか? あれも、線が太めだからです。それだけならば太めの芯の筆記具ならなんでもよい、といえそうですが、プラマンの柔らかなペン先はしっとりと紙になじみ、ペン先のしなりがとめや払いもしっかり表現してくれるんです。

字を美しく見せる上でとても重要な、とめと払い。宛名書きなどでは、特に大切です。私はよく、宛名書きに筆ふうのサインペン「筆タッチサインペン」(ぺんてる)をお勧めするのですが、その理由も、柔らかいペン先によってとめと払いが綺麗に出るからです。

今回のお客様は、日常の字にお悩みだったので、プラマンを進めた次第ですね。さあ、書いてみてください。

書きやすいペンだって? おっしゃる通りです。トラディオ・プラマンは万年筆とは違い、書ける角度が限定されないため、書きやすいんです。このことも、字を綺麗にしてくれるはずですよ。

……できました。あら、綺麗じゃないですか。先ほどの字と比べてみましょう。

まるで別人ですね。文は人なり、ならぬ、字は人なり、です。人の見る目も変わると思いますよ。

 

参照:ぺんてる『トラディオ・プラマン