頑丈で使いやすさ抜群の文具大賞グランプリ

なんと今年度の日本文具大賞デザイン部門グランプリもひとり文具メーカーということで、NEXT switch枠から二年連続の受賞というスゴいことになっている。
その今年のグランプリが、千葉で”夜だけオープンする”という不思議な文房具店、ぷんぷく堂が販売している『あなたの小道具箱』だ。

店主の櫻井さんが考案した『あなたの小道具箱』は、その名の通り雑多な小道具を収納するのに最適なサイズのお道具箱。

外寸が19.4㎝×12.5㎝で、厚さが3.7㎝と、道具箱としてはかなりコンパクトだが、実はこの小ささがとても良い。
文房具や手芸用品、ちょっとした工具などは充分収まるサイズで、かつ、中でぐちゃぐちゃに暴れるほどのスキマは無い。なにより、一見薄すぎるかな…と感じるぐらいの厚みが、小道具類を納めるのに本当に「しっくりくるちょうど良さ」なのだ。

素材は、収納用のカラーボックスや展示什器などにも使われている硬質パルプ”パスコ”を使用。紙ながら非常に頑丈で、なんと耐久年数は50年とも言われている。その上にフチと四隅をアルミで補強済み。
紙ならではの優しい手触りを残しつつ、正直、壊れるビジョンが想像できないほどの強度を持っている。これなら重量のある工具なんかも問題なく収納できて、しかも金属の工具箱ほどガシャガシャと当たり音がうるさくないのも素晴らしい。

 

好き放題・自由度満点でカスタムできる手帳

キヤノングループのシステムインテグレーター、キヤノンITソリューションズがこのほど提供を開始した手帳カスタムサービス『ネットde手帳工房』も、ブースを出展していた。

『ネットde手帳工房』は、A5サイズ手帳の全200ページを自由にカスタムした『ワタシメイド手帳』を1冊から作れるWebサービス。
スケジューラーやノートなどのページ組みはもちろん、フォントや色、罫線まで自分の好みで構成できる。それで物足りなければ、自作のページをPDFでアップロードすることで、完全オリジナルの手帳すら組み上げられるのだ。

ある程度のひな形は用意されているが、200ページ全てをがっつり自分で構成するのはなかなかの作業量となる。大変だが、手帳好きとしてはたまらないホビーになるだろう。
ネットde手帳工房自体はすでにサービスインしているので(手帳の印刷販売は9月から)、お盆休みの間にじっくり来年の手帳を自作するのは楽しそうだ。

途中で力尽きた人のため「残りの不足ページに無地ノートを挿入する」というボタンが設けられているのは面白いし、親切だ。

 

アイレット綴じ加工ができるシール

製本・加工会社ウキマのブースでは、得意とするアイレット綴じ製本の技術を使った製品が並んでいた。

“アイレット綴じ”とは中綴じ製本の一種で、下写真のように本の背に針金の輪っかが飛び出すという、日本ではあまり見られない綴じ方だ(ヨーロッパでは広く普及している)。

アイレット専用ステープラーをガチャンと綴じると…

この通り、リングの飛び出たアイレット綴じに。

2穴バインダーのピッチに合わせて輪っかを出すことで、製本した資料などをそのまま穴を開けること無くバインダーに綴じて保管することができるというもの。
見た目の面白さと珍しさもあり、いま文房具好きの一部でこのアイレットが流行りつつあるのだ。

ウキマでは、いちいち綴じなくてもアイレットが作れるアイレット加工済みシール『hal+』も発売している。
ノートや手帳の表紙にこの『hal+』を貼り付け、リングに紐やゴムを通すことでカバー留めにしたり、背表紙から紐を結んでスピン(しおり紐)を作ったりと、使い方はいろいろ。写真のフチに貼って壁のフックにかけて飾るなど、ちょっと洒落た使い方も提案されていた。