インデックスはこれぐらいのチラリズムでいい!

紙ものの雄ことデザインフィルは今年も新製品が満載。
その中でも特に気になった(これ欲しい度が高かった)のは、手帳・ノート用のインデックスシールである。

『チラットINDEX』は、革新的なサイズ感のインデックスシール。何が革新的かって、貼るとわずか2.5㎜しかはみ出ない、超チラリズムなサイズが素晴らしいのだ。
一般的なインデックスシールだと、はみ出しすぎてカバンの中で擦れて剥がれて落ちて…ということがわりとよくある。あれ、地味に不愉快じゃないか。個人的には超不愉快。
幅2.5㎜ならだいたいの手帳カバーの中にはみ出しが収まるので、剥がれ落ちリスクは極端に減らせるはず。

インデックス自体に自分で文字を書いたりするなら、大きくはみ出すのもやむなしかも知れない。しかし、そもそもき慣れた手帳で「マンスリー」とか「フリーページ」とか、いちいち書いてなくても分かるだろう、という話だ。
『チラットINDEX』は書き込みができない代わりに、最初から数字や柄が24パターン印刷されており、それで見分けが付くようになっている。「1が1月バーチカル」「24はマンスリーページ」のように自分で覚えておけば全く問題ないし、むしろこっちの方がスマートだ。
インデックス剥がれ落ち問題にイラついていた勢としては、一刻も早く使ってみたい。よくぞ作ってくれたという製品だ。

ここ数年、特にダイアリーに力を入れている印象の強いデザインフィルだが、今年の新ダイアリーはなかなかに面白そうだった。
「こちとら毎晩疲れて帰ってくるんだ!いちいち日記なんか書かねーよ!」という荒くれた社畜の皆さんにも受け入れられそうな、空き時間にちょちょっと書けるダイアリー『スキマ日記』だ。

一日単位で出来事をまとめて書くのではなく、空いてる時間に1トピック単位で書くシステムなので、気軽さが段違い。文字数も100〜200文字ぐらいで収まるので、5分10分あれば書けてしまう。まさにスキマ時間の日記なのだ。
感覚的には、ツイッターでつぶやくのとほぼ近い。しかも日記なら何を書いても炎上する心配はないし、会社の愚痴を書いても上司アカウントに補足されることはない。ストレスたまってるなら、こちらがオススメである。

紙もの以外だと、以前から発売されていた超コンパクトな文房具『XS』シリーズがついにセットで発売されることになった。
セット売りのなにが嬉しいって、そりゃもうこのセット専用ケースである。

メーカーが違うのでこういう言い方はマズいのだけれど、ある程度上の年齢層の人間なら誰もが「チームデミだ…!」って思うはずだ。
80年代後半、セット文具全盛時代に多感な時期を過ごした身としては、こういうのは無条件で「欲しい!」と思ってしまうのである。

ケースも、文房具を無造作に突っ込んでネットで押さえてるだけに見えて、実はそれぞれに合わせた仕切りにハマるようできている。
この専用の納め場所があるというのも、セット文具の醍醐味と言えよう。この企画の担当者の人、分かってるなー!という感じ。

 

全人類が悩む「机が狭い問題」の正解(のひとつ)

仕事に便利そうだから、と文房具の新製品を見るたびに買い込んで溜め込んでいる人がいる。
まぁだいたいその手の人は乱雑・整理ベタと相場が決まっており、机の上はゴチャついて大変なことになっている(に決まっている)。

それでもまだ自分の領土内に収まっていれば問題ないが、机だって無限の面積があるわけじゃない。いつかは隣席の同僚の机をも端から徐々に浸食し始めてしまう。もうそうなったらアウトということで、すぐ飽きてロクに使わないままの文房具を掲げて「これ…誰か使う?」など、露骨に迷惑そうな同僚の顔色をうかがいつつの大整理大会である。

見てきたような書き方をしたが、別に特定の誰かの話ではない。世界中のどこかで毎日行われている、ありふれた人間の営みである。誰が悪いのでもない。机が狭いのんが悪いんや。
そんな全人類共通の「机の面積足りない問題」に、キングジムが天恵の如き答えを出してくれた。

キングジム『デスクポケット』は、乱雑な机の上や引き出しで居場所のない電卓やスマホ、ペン類などを引き出しの外に配置するというもの。狭いオフィスでは限られたパーソナルスペースしかないけど、まだこんなに大きな面積が空いてたか!という、発見の喜びもある製品だ。
収納力はさほど大きくないが、A4ファイルが入るポケットもあり、かなり実用的。追加ストレージとして使うよりは、ごちゃついた机の上から常時必要な文房具類の置き場所を逃がす的な活用が正しいのだろう。

装着は脇机引き出しの前板にかけて、裏側からマグネットで貼り付けるだけ。かなり保持力があるので、重いオフィス通販カタログなんかも収納できそうだ。
これまた発売が待ち遠しい製品である。

 

スマホもスポッと収まる”立つペンケース”

ここ数年、面白いギミックを備えた学童文具で立て続けにヒットを飛ばすソニック。
今年は日本文具大賞機能部門で優秀賞を獲った手回し鉛筆削り『トガリターン』を大プッシュである。

ハンドルを手回しして削る昔ながらの鉛筆削りだが、もちろん機能は最新。
ぐるぐる回して鉛筆を削っていくのだが、削り上がった!という瞬間、内部でガチンとギアが変わり、削り終わった鉛筆がスッ…スッ…と排出されてくるのだ。
これにより、無駄な削り過ぎを可能な限り減らしてくれる、という仕組みである。
(下写真は、内部の機構を見せるための特別なスケルトンモデル)

従来の鉛筆削りも、削り上がるとハンドルが空転して無駄削りを防いではくれるのだが、最近の子供鉛筆の主流である2Bの柔らかい鉛筆だと、どうしてもちょっとは無駄に削ってしまうのだという。しかし削り上がると同時に排出すれば、そういうロスもない。
ハンドルを一方向にぐるぐる回してるだけで、きれいに削れた鉛筆が戻ってくるので、動きがまず非常に楽しい。さらにそれが無駄削りを防いでくれるのであれば、言うこと無しである。

そんな、子供に楽しい便利文具を開発している学童メーカーのソニックだが、今回、会社として初めて大人用の文房具にも進出を果たした。

『SMASTA』は、2年ほど前から文房具業界で流行している、いわゆる「立つペンケース」の最新版だ。
ノマドワーカーやフリーアドレスな社内で働く人は、移動した先々で仕事をすることになるが、そんなときに「ペンケースがそのままペン立てに変形してくれれば便利じゃない?」というのが流行の理由。で、ついでに「あと、スマホも一緒に置けたらもっと便利じゃない?」というのが、『SMASTA』の提案である。

確かに、出先の喫茶店などでちょっと仕事を片付けたい時など、だいたいスマホも机の上に出して時間を見たり、メールやSNSのレスを確認したり、モンストをはじいたりソリティアをめくったりしている。そのスマホが安定して置ける場所があれば、そりゃ便利だろう。

持ち歩く時の『SMASTA』は、カマボコのような半円筒状態。ここからジッパーを開けて二つ折りにすると、スマホ置き場を備えたペン立てに早変わり。
スマホ以外には、例えば消しゴムやふせんなどを置くとサッと取り出しやすい。いちいちペンケースの中をゴソゴソ探すのは面倒なので、こういった小物へのアクセスが良くなるのはとてもありがたい。

二つ折りにすると半円筒が重なって円筒の底面になるので、立てた時の安定感も充分。
さすが、立つペンケースとしては最後発になるだけあって、ユーザーの需要や立つ構造もよく考えているなぁ、という印象だ。
学童文具メーカーが大人のために考えたペンケース、これはかなり欲しい。