お店の前に、スポーティーな自転車が停まりました。ロードバイクですね。降りたおじさまは、ヘルメットをとるとお店に入ってきます。いらっしゃいませ。……本立てですか。はい、いろいろ取り揃えてあります。どういうものがいいですか? 

昭和っぽくないもの? といいますと? ……そうですか、会社でお使いのブックエンドが古臭いと、若い部下にからかわれてしまった。それで憤然とロードバイクにまたがり、ご来店されたと。事情はつかめました。今っぽいブックエンドはたくさんありますが、気に入って頂けなければ意味がありません。どんなものがお気に召すかですが、思うに、ロードバイクに乗られていることがヒントですね。

ロードバイクや自動車など乗り物が好きな、永遠の「男の子」たちが好きなワードに「剛性」「軽さ」「削りだし」「アルミニウム」「カーボン」などがあります。実は、文房具にも、たまにそういうツボを突いたアイテムがあるのです。はい、これです。カール事務器の『シキルイタ』。……はい、目の色が変わりましたね。まさしく男の子向けの一品と言えましょう。まず、なんといってもアルミ製ということ! よくあるスチールじゃないから、びっくりするほど軽いんですよ。持ってみてください。ああ、撫でまわすのは買ってからにしていただけますか……。

しかも高強度。アルミ製にしたことで、軽量化を実現しつつスチール製よりも30%の強度アップ(カール事務器比)を果たしました。ほら、全然しならないでしょう? 軽くて硬い、いかにもなアルミの質感は、そのスジの人たちにはたまらないでしょう。「カール事務器」のロゴがプレス加工してあるあたりも、よくわかっています。カラーバリエーションも豊富ですよ。

重要なのは、これ、決してブックエンドではない点です。いえ、もちろんブックエンドにぴったりなんですが、あくまで「仕切り板」。ブックエンドと何が違うって? 2つセットで販売されていない点です。ほら、壁際に本を置くときとか、一つだけで十分なことも多いじゃないですか。ああいうシチュエーションではとてもありがたいのです。

しかし、どうでしょう。このアルミの存在感。ミニマルなデザインと相まって、ブラックカラーなんて、まるでSF映画『2001年宇宙の旅』のモノリスじゃないですか。机に置いておくだけでもテンションが上がり、思わず進化しちゃうかもしれません。ぜひお店で実物を手に取ってみてください。

 

カール事務器『シキルイタ』