メガネ拭き、どう持ち歩く問題
昨年のISOTでは「お風呂で読書できるバルーンタイプのブックカバー」を出していたJECOLだが、今年はユビキタスな製品を2点出展していた。
メガネをかけている人間にとって、メガネ拭きは常に持ち歩くべきアイテムの一つ(シャツの裾はメガネ拭きではない)。しかし、どうやって持ち歩くかのポジションが意外と定まっていないアイテムでもある。
メガネケースの中というのが基本だが、メガネ常用人はそもそもケースを持ち歩かない。かといってハンカチなどと一緒にポケットに入れておくと拭面に埃が付いて汚れてしまう。
そこでJECOLが提案するのが、本や手帳にはさむ”しおり”にメガネ拭きを入れた『ふく栞』である。
薄いPP製のしおりにメガネ拭きを挟み込んだもので、使うときはこのように中から布地をつまみ出して拭く。
シンプルながら、なるほど、そこがあったかという発見である。
対して、本当にそこでええのんか?とちょっと面白かったのが、もう一つの出展アイテムである『ペラット』。携帯できるリストバンド付き指サックというものだ。
年をとってくると驚くほど指先に水分が無くなってくるもの。自分の父親が指先を舐めながら新聞を読むのをあれほど嫌っていたというのに、最近はリアルに「あー、舐めてめくったら楽だな」と思ってしまう。あれ、自然の欲求だったのだ。
とはいえそれはマナー的に大NG。であれば、やはり指サックが欲しいところである。
しかしその指サックも、メガネ拭きと同様にどういう形で持ち歩けばいいのかのポジションが定まっていないのではないか。
…だからといって、指サックをリストバンドにしてしまうのは、ちょっとやり過ぎではないかと思うのだ。
指サックを持ち歩くのが面倒な人は、そもそも出かける度にリストバンドをつけるのも面倒だろう。できれば、普段持ち歩くような常用品に仕込んで欲しいなと願う次第である。
それこそ本を読むときに欲しいので、しおりと一体化してくれているとありがたいのだが。本を読む前にしおりを抜き出し、メガネ拭きでメガネを拭いてから、指サックを装着。いいと思うんだけど。
液晶画面が拭けるボールペン
拭けるシリーズというワケではないが、液晶画面が拭けるボールペンというのも見つけた。
ロジックから発売されている『スマホマルチボールペン Synapse』だ。
機能としては、まず”ボールペン”。ノックで芯を収納すると先端が”スタイラス”としても使える。
そして、独特な形状のクリップには”液晶クリーナー”が張られており、さらにクリップにスマホをひっかけて立たせれば”スマホスタンド”にもなるというマルチっぷり。
例えばスマホ画面を人に見せる場合なんか、このペンでサッと画面をぬぐってやれば間違いなくウケるだろう。正直なところ液晶クリーナーは拭きやすいとは言えないが、ウケればいいかな、ぐらいでも買っておきたい1本だ。というか、買った。
本気で「洗える」ペンケース
社長が一人でOEMでブックカバーや手帳を作り、「ひとりOEMメーカー」「ひとり文具メーカー」を名乗るZISAは、普段のOEM製品とともにいくつかのオリジナル文房具を出展。
中でもまず目についたのが「衣類のように洗える文具」を謳ったペンケース&ポーチだ。
『洗濯機で洗えるポーチ』という名前も力強いが、申し訳ない、そもそもペンケースを洗濯機で洗おうという概念は無かった。
でも、言われてみればペンケースの中は埃が溜まりやすいし、鉛筆芯の粉やら紙の切り粉やらの細かいゴミもいっぱい。あからさまに清潔とは言いがたい環境だ。
製品タグには「洗濯機」「乾燥機」「アイロン」「ドライクリーニング」と全方位で対応してくれているのであれば、じゃあ洗うか、という気にもなる。…んー、いや、ドライクリーニングはどうかな。
でも、この製品タグを外しちゃったら、いざ洗うときに「これ本当に洗濯オッケーだっけ?」って不安になるかもしれない。
いや、大丈夫。だって中にちゃんと洗濯表示ネームが付いてるから。
これまでいろんなペンケースを見てきたけど、中に洗濯表示がついてるのは初めて見た。あっ…これ本気で洗わせる気だな!
そしてこのZISAというメーカー、手帳もかなり本気というか、やたらとピーキーなものを作っている。
こちらの手帳、一見クラフト紙に見えるが、実は135kg厚の上質紙にクラフト紙っぽいテクスチャを印刷したもの。なんでそんなことをしたのか聞きそびれてしまったが、ともかくゴワゴワの紙質に見えてもスルスルの書きやすさだ。
そして、何よりおかしいのが紙の厚さだ。135kgの上質紙って分かるだろうか。だいたい雑誌の表紙とか、綴じ込みハガキがそれぐらいの厚さである。それが手帳の紙って、だいぶ狂ってる。
これぐらい分厚いと、まず万年筆の裏抜けとか心配する必要がまったくない。ヘタすると油性マジックですら抜けないぞ。
また、フリクションなど摩擦で消える系のペンにも強い。薄い紙をこすると熱が伝わって裏ページの書き込みまで消えることがあるが、この紙ならまぁそれも問題ないだろう。あと、何回書き直しても紙が疲れたりヨレたりしない。分厚くて頑丈だから。
あまりに紙が厚いので、手帳自体はマンスリーのブロックのみという超シンプル構成となっているが、それでもこの手帳が使いたいというユーザーは結構いるんじゃないだろうか。この紙厚はちょっとオリジナルすぎる。