ぼくらのホビーが帰ってきたぞ

昨年に発売したリバイバルアイテム『スピログラフ』が非常に好調というビバリー。我々のような文房具おじちゃん&おばちゃんは「えっ、今それ?」と驚くしかないが、本当に売れているらしい。確かに、回してるだけで不思議な模様が描けるのは、今大人がやってもけっこう楽しい。
今後は、ギアの歯を大きくして幼児にも回転させやすくしたジュニアシリーズなども展開して、もっとスピログラフ熱を高めていく方針のようだ。

さらには、参考出品として「ええっ、それも今なのか?」と、もっと驚愕のアレが展示されていた。
「…で、何だと思う?」とクイズ形式にしても絶対に当たらないので最初からバラしてしまうが、『スーパーカー消しゴムをボールペンのノックではじく遊び』セットである。

なるほど、人気映画『カーズ』のキャラクターものとしての展開ということなら、まぁギリで分からなくもないが、それにしたって今それか。
さすがに30〜40年前に流行ったホビーなので、今の子供には新鮮なのは間違いないだろう。文具おじちゃんとしては「ペンがBOXYじゃないのかよう」とか益体もない愚痴もあるが、これで子供世代と遊べたらいいかもしれない。

ちなみに、セット内のスーパーカー消しゴムは、消しゴムと言いつつ消えないタイプとのこと。そこは今の技術でちゃんと消えるモノを使っても良かったんじゃないか。

 

プチギフト最前線

マルアイののし紙風ふせん『こころふせん』に端を発して、「社内で出張のお土産を配る」などのちょっとしたプチギフト関連アイテムが、数年前からわりとアツい戦場になっている。
確かに、個包装の焼き菓子やチョコなんかを配ってもらっても、一言添えて”ちょっと丁寧”にされると嬉しいものだ。

その戦場に新たに参入したのが、グラフィックデザインから雑貨卸も手がけるフィリーズギャラリー。

比較的シンプルで「ギフトそのものを目立たせる」ものが多かったプチギフト関連だが、フィリーズギャラリーの「こくばり」シリーズは、シンプルながらも動物のかわいいキャラを立てて”ちょっと丁寧&ファニー”路線に振ってきた。

シリーズは、お土産を配るのに使える「こ土産」と、身の回りにお歳暮を気軽に送る「こ歳暮」の2展開。それぞれ、シール・ミニのし紙にかわいい小動物がプリントされている。また、クリップのように挿しこんだり挟んだりできるカードと、小分けしたお菓子なんかを入れて折るとテトラパックのようになる紙袋も、なかなか丁寧感があって使いやすそうだ。

丁寧でかわいいって、明らかに男性が好む女性のパブリックイメージである。使うと100パーモテるのが分かってるヤツなので、職場の女性がこれを使ってきたら、逆に「あっ、アイツなんかひと狩り来てんぞ」と周囲に警戒を呼びかけた方がいい。

 

七夕飾り的ブックカバー

自動車の内装などを手がけるエヌ・ケーは、自動車のファブリックシートに使う人工スエードで作ったブックカバー『Chubie』を参考出品として展示していた。

これの何が特徴的かって、背の部分に細かなスリットをいっぱい入れており、ここが伸び縮みすることで本の厚さが15㎜から45㎜まで自在に対応できる(サイズはA6とB6の2タイプ)ようになっているのだ。
どこかで見たギミックだな…と思ったら、折り紙を切って作るビヨンビヨンの七夕飾り、あれでそのまま本を包む感じである。

残念ながら世の中には厚さ50㎜超というとんでもない文庫(言わずもがなの京極堂と東海林さだおだ)も存在するので、気軽に「どんな本でも入るよ」とは謳えないが、なかなか面白い作りのカバーではある。

写真のように、包むと背のカドまでくるりとカバーが回ってくる。生地自体も厚くクッション性があるので、本の傷みやすい部分をしっかりガードしてくれるのも良くできている。

ただ、先にも書いたとおり自動車のシートと同じ素材で作られているため、とにかく頑丈。伸ばしているうちにスリットからピリピリと切れていく…というような事は無いそうだ。
ただ、この素材がやたらと高価なもので、ブックカバーも今のところ価格未定ながら3,000円は超えそうとのこと。

こちらはノートパソコン用の『Chubie』カバー。
MacBook Airから外付けDVDドライブとロングライフバッテリーを増設したThinkpadまで、同じように七夕飾りスリット方式で厚さを問わずすっぽりと包み込んでくれる。
価格的にはブックカバーより高価でも納得がいくので、こちらの方が製品化はありそうな感じだった。