文房具関連で最も大きなイベントといえば、毎年夏のISOT(国際文具・紙製品展)。
 会場レポートの3日目は、思わず「おお!」と声が出るナイスアイデアな新製品をあれこれ紹介したい。
 ずっと膝を打ちっぱなしで、読み終わる頃には膝が腫れ上がるぐらいのいいアイデア群、ご覧いただこう。
ノートや手帳に小物ポケットを増設
パズルやカードゲーム、文房具をあれこれ手がけるビバリーのブースでは、見た瞬間に「あっ、これ欲しかったやつ!」と思わず前のめりになるアイデア文房具が展示されていた。

ポケットケースの『HARUPO』は、ノートや手帳の表紙裏に貼って増設するポケットシール。
 これまでにも多くのメーカーから増設ポケットシールは発売されていたが、それらは基本的に名刺などの薄い紙を数枚はさんでおくためのポケットであって、厚みのあるものはNGだし、フタがないので小物を入れるとぽろぽろと落ちてしまう。
 対して『HARUPO』はビニール製のポケットで、さらにジップロックのようなファスナーがついている。なので、ゼムクリップやふせんなんかもスイスイと入ってしまうのだ。

こういう小物は筆箱の中に直で入れておくとバラけて見つけにくいので、一緒に使う機会の多いノートや手帳と一緒にこじんまりと持ち歩けると、ものすごく便利なのである。
 問題なのは、柄がやたらとファンシーなこと。
 女性が使う前提なのかもしれないが、こんなのは誰が使っても便利なのだから、できれば無地・単色系のものもラインナップに入れておいて欲しかった。
眠気まで消せる消しゴム
もうひとつビバリーからは、勉強中の眠気対策に使える消しゴム『ねむ消し』も参考出品されていた。
 (まだ製品ができていないので、プラスチック製のサンプルのみ展示)

なにがどう眠気対策なのかというと、まずこの尖った形状でツボ押しができる。
 眠気払いに効く「合谷」(手の甲側、人差し指と親指の骨が交差するくぼみ)や「中衝」(中指の爪の下あたり)などのツボを硬めの消しゴムでぐりっと押してやれば、気分もスッキリするということらしい。
 わざわざ肌触りを考慮して、先端部はサラサラした梨地にしてあるとのこと。肌触りまで考慮した消しゴムって、初めて見たぞ。

他にもギザギザした本体をぐっと握って気分転換したり、ミントの香りを嗅いで嗅覚からもリフレッシュできる仕様となっている。
 そこまで眠気対策に本気出すなら、もはや消しゴムじゃなくてもいいんじゃないかという気もしなくはないが、会議中に眠気が来がちな会社員として、とりあえず筆箱に常備しておこうとは思う。
増設ポケット、ジャンルとして来るか?
オシャレ&ナイスアイデアな紙製品でお馴染みのカミテリアでも、ノートに貼るタイプの小物収納『co-tore』が展示されていた。
 やっぱりみんな欲しかったんじゃないか、小物が入るノート増設タイプのポケット。

こちらはジップポケットではなく、紙製のトレイ型。見た目は折り手紙みたいな雰囲気だ。
 大きく開けばトレイっぽく使えて中の物が取り出しやすいし、フタをとじ合わせればクリップなどの小物が落ちることもない。
 なるほど!紙ポケットでもこれならちょっとぐらい厚みがあるものが入るのか。これはなかなかにいいアイデアである。
ページのカドを活用するから、カド活
カミテリアでは、他にもノートや手帳のカドとフチを活用するふせん『edge+on』が面白かった。これは、ふせんと言いつつ、粘着材を使って貼るのではなく、ページのカドやフチに差し込んで使うというもの。

これの何が良いかというと、まずコメントが従来のふせん以上に大きく書き込める。
 ページに直接貼っていないので、下の紙面もぺらっとめくれば確認可能だ。一枚物の回覧書類に挟んで、確認のハンコを押すのに使ってもいいかもしれない。

そして紙面からはみ出す部分にはカラフルな色づけがしてあるので、ノートを閉じた状態だとインデックスにもなる。インデックスふせんはページに対してまっすぐ貼るのが難しいが、これは挿し込むだけなので確実にピシッと見た目が揃う。
 なるほど、うまくカドを活用しているな、という感じ。「カド活」というワードが流行るかどうかは不明だが、ちょっと使ってみたくなるアイテムだ。
立体メモシリーズ、最新版
カミテリアと言えばやはり外せないのが、細長い伝言メモをくるっと巻くことで立体のジオラマになる『ku.ru.ru』シリーズ。
 参考出品としてだが公開されていた最新作は、歌川広重の『名所江戸百景』から、亀・鷹・猫のいる風景をセレクトした『ukiyo-e』だ。



『ku.ru.ru』シリーズには、丸める…というか組み立てるのにやたらテクニックが要るもの(個人的にku.ru.ruプロ版と呼んでる)と、ほんとにクルッと丸めるだけのシンプルなのがあって、この『名所江戸百景ku.ru.ru』はシンプル版。
 とはいえ立体化したときのちょっとした奥行がうまく遠近感に転化されているので、単純だけど妙に迫力がある。インバウンド向けのお土産としてかなり良さそうだ。


